
親御さんの介護、一人で抱え込んでいませんか? 「まだ家で頑張れるかも」「施設に入れるなんてかわいそう」と悩むのは、あなたが親御さんを大切に思っている証拠です。
しかし、介護は突然限界が来ます。認定調査員として多くの現場を見てきた私から、**後悔しないための「制度の活用法」と「伝え方のコツ」**をお伝えします。
1. なぜ「今」入所を検討する必要があるのか?
自宅での介護には限界があります。特に以下のような「ファクト」がある場合、施設は決して「切り捨て」ではなく、**「安全な生活の確保」**という前向きな選択肢になります。
- プロによる24時間体制: 介護・看護の専門家が常駐。
- 尊厳とプライバシー: 有料老人ホームの多くは「個室」です。共同生活でありながら、個人の時間や尊厳が守られる設計になっています。
- 孤独の解消: 自宅での引きこもりを防ぎ、レクリエーションなどを通じて社会との繋がりを維持できます。
2. 気になるお金と条件(要介護度)
有料老人ホームの場合、一般的には**「要介護1以上」**が入所の目安です。
- 料金: 月額利用料は15万円〜30万円程度と幅広いです。入居一時金の有無も施設により異なります。
- 要介護度: 自立支援が中心の「住宅型」か、手厚い介護の「介護付」かによって、必要な介護度や料金プランが変わります。
3. 認定調査員が本音で教える「調査当日の重要ポイント」
認定調査の結果(要介護度)が、受けられるサービスや入所の可否を左右します。ここで最も大切なのは、「本人が頑張っている姿」ではなく「普段の困りごと」を正確に伝えることです。
① 「受けたいサービス」を明確に伝える
調査員に対し、「施設入所を考えている」「夜間の見守りが必要だ」と、必要な出口(サービス)を具体的に伝えてください。 ### ② 家族の「できない理由」を整理しておく 在宅での継続が可能だと判断されると、施設入所の優先度が下がることがあります。調査前に、以下の個別具体的な課題をメモしておきましょう。
- 周辺環境の不安: 「近所で犯罪やトラブルが多く、本人が不安がっている」など。
- 家族の物理的な限界: 「仕事が激務で、本人の家まで駆けつけることが物理的に不可能である」。
- 生活上の課題: 「認知症による火の不始末や、夜間の徘徊があり、家では安全が確保できない」。
③ 「本人の前で言いにくいこと」は別室で
調査中、親御さんは「自分は大丈夫だ」としっかり振る舞ってしまいがちです。**「実は夜中に何度も電話が来る」「本当は食事が取れていない」**といった事実は、必ず調査員と別室や電話で伝えてください。
4. 最後に:ご家族の「気持ち」も立派な判断基準です
「仕事が忙しくて面倒が見られない」という事実は、決して悪いことではありません。それを正直に調査員に伝えてください。
私たちが判定するのは「体ができる・できない」だけではありません。**「家族の状況を含めて、今の生活が維持可能か」**を見ています。ご家族が疲れ果てて共倒れになるのが、親御さんにとっても一番悲しいことです。
プロの手を借りることで、親子が「介護者と要介護者」ではなく、「親子」としての良好な関係に戻れるケースを私はたくさん見てきました。
まとめ:調査前にこれだけは準備しましょう
- 生活の困りごとリスト(特に夜間の様子)
- 在宅が困難な具体的理由(仕事の状況、地域の治安など)
- 入所後にどのような生活をさせてあげたいか(尊厳、安全など)
一歩踏み出すのは勇気がいりますが、その一歩が親御さんとあなたの未来を守ることにつながります。


コメント