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善意が「虐待」に変わる瞬間。経済的搾取を防ぐために、家族が今すぐ「透明性」を持つべき理由

介護認定

こんにちは、さいたま猫です。

今日は、少し心に突き刺さるような、でも今この瞬間に日本のどこかの家庭で起きている「静かな悲劇」についてお話しします。

介護認定調査員として、あるいは成年後見人や社会福祉士として現場を歩いていると、ニュースにはならない「家族の綻び」を嫌というほど目にします。特に**「お金」**にまつわる問題は、どれほど仲の良い家族であっても、一瞬にしてその絆を切り裂いてしまう破壊力を持っています。

「うちは仲が良いから大丈夫」 「親の通帳は私が預かっているから安心だ」

その「安心」が、実はもっとも危うい土台の上にあるかもしれない……。今日はそんなお話です。


1. ニュースの裏側:加害者は「真面目な長男・長女」である現実

最近のニュースを思い出してみてください。高齢者から現金を騙し取る特殊詐欺の摘発が後を絶ちませんが、実はもっと身近で、もっと件数が多い「搾取」があることをご存知でしょうか。

厚生労働省が発表した令和4年度(2022年度)の「高齢者虐待防止法に基づく対応状況調査」によると、養護者(家族など)による高齢者虐待の相談・通報件数は3万5,258件と、過去最多を更新し続けています。

その中で「経済的虐待(親のお金を勝手に使う、使わせないなど)」は、身体的虐待、心理的虐待に次いで**第3位(約15%)**を占めています。そして最も衝撃的なデータは、その加害者の内訳です。

  • 1位:息子(約40%)
  • 2位:夫(約22%)
  • 3位:娘(約18%)

つまり、特殊詐欺のような「外敵」ではなく、最も信頼しているはずの「同居の家族」が親のお金を搾取しているのが現実なのです。

現場で出会う「加害者」の多くは、最初から悪意を持っていたわけではありません。むしろ、周囲から「あんなによく介護して偉いわね」と言われるような、責任感の強い真面目な子どもたちなのです。

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2. なぜ、優しい子どもが「魔」に差すのか

なぜ、愛する親の資産に手を付けてしまうのか。認定調査員として家庭の奥深くまで入り込むと、そこには「個人の倫理観」だけでは片付けられない、壮絶な背景が見えてきます。

① 介護離職による「経済的死角」

今、日本では年間約10万人が介護のために仕事を辞める「介護離職」を余儀なくされています。働き盛りで収入が途絶えた子どもにとって、親の年金は唯一の「生命線」に見えてしまいます。 「自分の生活が立ち行かなくなれば、親の介護も続けられない」という、歪んだ正当化が始まります。

② 「介護の代償」という心の隙間

「兄貴は遠くで好き勝手やっているのに、私だけが毎日おむつを替えて、夜中に起こされている。これくらいの手間賃をもらってもバチは当たらないはずだ」 この**「代償心理」**こそが、最も危険なトリガーです。最初は数千円の「お小遣い」だったものが、次第に数万円、数十万円と膨らみ、気づいた時には数百万円、数千万円という親の老後資金が消えている……。後見人として通帳を遡る際、こうした形跡を目にするたびに胸が締め付けられます。

③ 境界線の消失

親と同居し、生活費を一つの財布で管理していると、どこまでが「親の支出」でどこからが「自分の支出」かの境界線が曖昧になります。 「親が食べる食材を買うついでに、自分のビールも親の金で買う」 この小さな一歩が、後に家族をバラバラにする大火種になるのです。

さいたま猫の推薦: 通帳、印鑑、キャッシュカード……。これらを「適当な引き出し」にしまっていませんか?「重要事項はこの金庫にある」と場所を明確にし、管理責任を自覚することは、心の境界線を引く第一歩になります。


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3. 【解決策】信頼を「見える化」する3つの技術

「家族なんだから信じているよ」という言葉は、介護の現場では時に凶器になります。本当の愛は、**「疑わなくて済む仕組み」**を作ることです。

私がいつもアドバイスしている、透明性を確保するための3つのステップをご紹介します。

ステップ1:専用口座と10円単位の家計簿

親のお金は「親専用の口座」で完全に独立させましょう。生活費を引き出した際は、必ず専用のノート(家計簿)に記帳し、レシートをすべて保管します。 「10円単位までやるの?」と思われるかもしれませんが、この「細かさ」こそが、後で他の兄弟から問われた際の最強の防御壁になります。行政書士や後見人の視点から言えば、**「記録がない支出は、すべて使い込みとみなされる」**と考えて間違いありません。

ステップ2:定期的な「親族会議」の開催

お盆や正月、親族が集まる場で「報告」の時間を持ちましょう。 「今年の親の収入はこれだけで、施設代と医療費にこれだけ使いました。残高は今これくらいです」 この情報を、メールやLINEグループで共有するだけで十分です。透明性を高めることは、介護をしているあなたの苦労を他の兄弟に理解してもらう絶好の機会でもあります。

ステップ3:福祉用具やリフォームへの「正しい投資」

お金をただ「守る」だけが管理ではありません。 親御さんのお金を使って、適切な**福祉用具(電動ベッド、車椅子)**をレンタルしたり、**住環境の整備(手すりの設置、段差解消)を行ったりすることは、極めて適正な支出です。 これによって介護負担が軽減され、あなたの心に余裕が生まれれば、それが一番の虐待防止策になります。福祉住環境コーディネーターの視点から言えば、「環境への投資は、家族の笑顔への投資」**なのです。


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4. 普遍的なテーマ:お金は家族をバラバラにするが、知恵は家族を一つにする

「お金の話で揉めるのは、お金がない家だけだ」というのは、現場を知らない人の幻想です。 むしろ、一生懸命働いて資産を残してきた親御さんの家ほど、その「思い」が強い分、使い道を巡って感情が爆発しやすくなります。

お金の適正な管理とは、単に数字を合わせる作業ではありません。 それは、**「親が築き上げた人生の結晶を、親が最後まで幸せであるために、家族全員がチームとなって使い切る」**という意思表示です。

「親のお金に手をつける」という悲劇を避けるために。 そして、介護が終わった後に「あなたがいてくれてよかった」と兄弟で手を取り合えるように。

今すぐ、その通帳と向き合い、透明な風を吹き込んでください。ルールを作ることは、冷たいことではありません。家族という一番大切な場所を守るための、究極の優しさなのです。

さいたま猫でした。

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